ワタシ×タベル=タベモノガタリ🍙

食べることとちょっぴり冒険が好きな女子学生のブログ

高橋さん家の台風きゅうり。

「高橋さん家のきゅうり、こないだの台風で傷まみれで全部捨てるらしいからとっていっていいってさ。」

 

こないだの月曜日、いつもお世話になってる神戸市西区の農家さんのところにお邪魔している時の出来事でした。

 

「じゃあ、状況だけでも…」と言って、高橋さんのいない畑に連れていってもらいました。

 

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ビニールハウスはぼろぼろ。もはや骨だけになっていて、骨格さえも折れていた。
きゅうりはもちろん傷まみれで、スーパーで見るのよりぐんぐん大きくなっていた。

 

「台風きてから農地に出たくなくって、きゅうりも放ったらかしやねんて。でもこのままやったら支柱が折れるから近いうちに収穫せなあかんらしい。」

 

それを聞いて私は、この畑を1人でもくもくと片付けることが、どれだけ農家にとって酷なことか想像もつきませんでした。

 

「ちょっと多めにもらっていっていいですか?売ってきます。」

 

そう言って私は約70本の、コンテナ1つ分、いっぱいのきゅうりをもらってきました。

 

その夜、初めて高橋さんとチャットで連絡を取りました。

 

「今日勝手にきゅうりいただきました。すみません。これ、販売させていただいてもいいですか?」と、私が言うと。

 

「とっていっていいんですよ。もうどれも捨てるので。捨てられるはずのものが少しでも誰かに食べてもらえるのであれば、もう心は折れていますが報われるものです。」と、高橋さん。

 

そこからSNSで呼びかけました。

 

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私なんかに70本もさばけるんだろうか…と、正直心配していたのですが、皆さんからどんどんコメントをいただきました。

 

「おー、ゆりえ!明日親子キャンプあるから、きゅうり持ってきてくれへんか!45本!
」と、お世話になってるキャンパーの方。

 

「きゅうり好きなんです。3本ください!」と、後輩も。

 

「持っていきます!!!」

 

私の返答はそれしかありませんでした。

 

次の日の火曜日で、私は70本のきゅうりを全て消費者の方に届けたのです。
キャンパーのもりもっさんにきゅうりを届けた時、言われたことがあります。

 

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「お前がやりたいんは、この状況を1人でも多くの人に伝えることちゃうんか?じゃあお前がきゅうりを運ぶだけじゃなくて、収穫にきてもらえよ。経験の伴わない教育は、教育じゃないぞ。」って。

 

むうう、たしかに。と思い、高橋さんに連絡しようと決めたのです。


さて家について、きゅうり全部なくなった!と思いきや、注文は一向に止まりません。
数えていくと…あれ、300?400?500!?とどんどん増えていくのです。

 

運べるのか!と心配していると、「ゆりえちゃんの負担減らせるなら、ファームスタンドで一時取り置き場にしていいよ。もちろん無料だから。」って小泉さん。

 

 

...もろもろ全部、高橋さんに相談せねば。
(ちなみにこの時、もし高橋さんからきゅうり売りたくないって言われたらどうしようかと思ってました笑)

 

 

翌日水曜日の朝、高橋さんに電話。初めて声を聞きました。

 

「高橋さん!きゅうり全部収穫させてください。私が消費者の方に届けてきます。あと今日募集して明日なのでどれだけ人が来るかわからないですが、収穫イベントもしてもいいですか?」

 

「おー、いいですよ。やってみましょう。朝収穫できそうならやっておきますね。」

 

「いやいや、みんなでやりましょう!」

 

あの状態の畑で、高橋さん1人で作業させたくなかったのです。

 

そして私はそこからイベントページを作りました。

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収量は500本ぐらいだろうと伺い、事前予約を打ち切りました。

 

さあ明日は収穫して運びまくるぞ!と、楽しみで楽しみで。
遠足前の小学生のような夜を過ごしていました。


木曜日の朝、10時から収穫イベントでした。
なんと、なんと、来てくれたのは15名も。
きゅうりフェアを開催してくれる.me kitchenの方も一緒に収穫にきてくれました。

 

そのおかげで収穫はなんと30分ほどで終了。畑になっていた全てのきゅうりを収穫。

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さあ、車に積むぞ〜!と思い運ぶも、全然入らない。
試行錯誤してあーだこーだいいながら、収穫した全てのきゅうりを詰め込みました。

 

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学園都市→三宮→西宮北口→甲東園→芦屋→岡本という順番。
それはそれは、たくさんの人に出会いました。

 

そして西宮北口を過ぎるあたり。
「あれ?なんか多くないかこのきゅうり?」

 

予定ではもう半分ぐらいになっているはずなのに、車はまだまだきゅうりまみれなのです。
予約販売の量を収量がはるかに上回っていました。

 

これはやばいなと思っていたところに、神戸市役所の秋田さんからメッセージが。

 

「きゅうり、売れてるか!もしまだ余ってるんやったら職員の懇親会の飲み会に持っておいで!」

 

…って神様なのか秋田さん。
迷わず三宮の懇親会会場に2コンテナ、大量のきゅうりをもっていかせていただきました。

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はあーーよかったー!!!
って思うでしょ?でもまだ3コンテナも残ってたんです。本数にするとおそらく200本ほど。

でももうくたくたで、とりあえず家に帰って寝ることにしました。

 


金曜日。きゅうりどうしよかなと思いつつ、朝起きて携帯を見ると一通のメッセージが。

 

「初めまして!神戸学園都市YMCAこども園の松田です。きゅうり、まだ余ってますか?300本ほどなら扱えますよ。」

 

って…えええーー!!!いいんですか!!!
ということで、その日のおやつの時間にもっていかせていただくことに。

 

「園児にもぜひきゅうりのことお話してあげてください!」

 

「…私子供の扱い慣れてないので下手くそですがいいですか。」

 

「もちろんです!」

 

ということで、園児の前でちょっぴりお話させていただきました。

 

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「このきゅうり、ここ傷ついてるやろ?こないだすごい台風あったやん?あの時きゅうりのお家が飛ばされちゃってん。だから傷ついちゃってん。でも美味しく食べられるねんで。

みんなが食べてくれへんかったら、このきゅうり捨てられててん。」

 

そんな話を聞いてくれた園児の顔は、みんな本当に真剣で。

 

「だからみんなおいしく食べてなー!」

「はーーーーい!!!」

 

そう言って部屋を後にしました。
高橋さんの台風きゅうりを届け切った喜びや、届け切れた背景にはたくさんの人が手伝ってくれたことなどなど、たくさんの感情が入り混じっていました。

 

合計700本ほどの台風きゅうりを無事完売させました。

 


実は今回、何人かの人にマーケティングのフィードバックをいただいたのです。

 

「大きく育ったきゅうりは中華やタイ料理で使うらしいよ。」
「この売り方やったら共感というよりかわいそう感が出すぎるね。」

 

など。たしかにそうだなと思いました。

 

でも、それを言われて気づいたのですが、
私はきゅうりを売りたいんじゃなかったんだと思うんです。

 

高橋さんを一緒に応援してくれる人を、仲間を探していたんです。

 

だから3本100円。利益なんてよかった。

 

1人でも多くの人にきゅうりが届いて、その笑顔の写真が私のところに送られてきて、それを高橋さんに送ることができる。

 

そのサイクルを生み出して高橋さんの折れた心をちょっとでも元に戻せれば。
それが私の原動力でした。

 


この半年間、たくさんの農家に出会ってきました。
今まで農家なんてみんな一緒やろ〜と思っていたのですが、やはり意志がある生産者とない人はいるわけで。

 

高橋さんにまだ会ったこともなかったのに、こんだけやりたいと心が動かされたのは、その畑から高橋さんの意志を感じたからだと思うのです。

 

そしてこの経験は、私にとっても人生で初めての大きな成功経験になりました。
言うだけで行動しない奴はあかんと、再認識しました。

 

それもこれも全て、皆様に助けていただいたからです。
本当に本当にありがとうございました。

 

これからもタベモノガタリを始め、どんどんどんどんいろんなことに挑戦していこうと思います。

 

これからもこんな竹下をどうぞ、よろしくお願いいたします。

 

竹下友里絵

 

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